たまには書こうと思いつつ,久々に書くならそれなりのネタでなければならないような気がして,そして結局書かないという悪循環.こうならないように,たまには読書の記録でも書くようにするか,と.
最近,京都市図書館の「インターネットサービス」なるものを覚えてよく利用している.オンラインで検索して,読んでみようかなと思う本があったらポチっとな,とやっておくと数日後に「取り置いてあるからカウンターへ参れ」なるメールが来る.あんまり調子にのってポチポチやっていると「読まねばならない本」が溜まっていそがしいことになるけれど,気になる本を忘れてしまうということがないのがよろしい.
それで先日お取り置きしてもらった本は中西先生の「食のリスク学」だったのだが,これは大変おもしろく読ませていただいた.リスクの定量化について説明した最初の部分は難しいけれど,「フードファディズム」について書いた2章以降はするすると読めてしまった.「リスクゼロ」を希望するあまりに人工物質のメリットを見ようとしない傾向がある,という指摘は「化学物質はなぜ嫌われるのか」にも書かれているところだ.
思えば「沈黙の春」や「複合汚染」を読んだのはもう数十年前で,読んだときはずいぶん衝撃でもあったし,その後の行動に影響もあったように思う.でも今読むと違った感想を持つ可能性はある.少なくとも,カーソン女史存命のころに使われていたケミカルと現在の農薬や薬や食品添加物じゃずいぶん違うので,当時の議論を現在にそのまま当てはめるのは適当でない筈だ.
明日は毎週恒例の「少人数ゼミ」なんだけど,ここでも,化学肥料と有機農業は単純な善悪二元論で語れない,という話をしているつもり.そろそろ終わりに近づいているのだけれど,彼らはどう思っているのやら.