msrk2007-02-15

ようやく細胞の形質転換が安定してできるようになってきた。といってもプロトコルは本に書いてあるので、できるのが当然なのではある。しかし書いてあるとおりにやっているのに上手くいかないことは往々にしてあり、それでも我慢して何回かやっているとコツのようなものが見えてできるようになる。この実験に関しても今そういう段階になりつつある、という話だ。
世界中のラボのどこでも誰でも結果が再現できるのがサイエンスだ、といわれるが、実際には書いてあるとおりにやったのに(一発では)できないことのほうが多い。少なくともワシはそうだ。だからといってそれは、その論文や本が出鱈目だとか、サイエンスとはやる人によるものだとかいったことを意味するのではなく、その実験をやる上で大事なカンどころが正しく再現できていない結果なんだと思う。困ったことに、そうしたカンどころというのはどうやら本に書いてないことが多い。たぶん意地悪で書いていないのではなく、初心者は、達人がすでに無意識にやっている=当然クリアすべきポイント、においてチョンボをするということではあるまいか。だから実際にやっている人のところへ出向いて一緒にやらせてもらうか、それが無理なら習うより慣れろで自分でコツを会得するしかない。なんだか徒弟制とか丁稚奉公とかいう言葉がしっくり来る感じだが、まあ実験科学なんてそんなものだろう。自分でそれをやり続けられたらいいと思うけれど、それではエラくはなれないだろうな。
今日は、作れた細胞の写真を貼っとこう。緑色に光っているのがそれね。この緑色がゴルジか小胞体か、はたまたミトコンドリアか、それが問題。