服は風変りだったけど

昨夜は風邪のために早く寝ようと思っていたのだが、NHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」なる番組につい見入ってしまい、11時前まで起きていた。じゅうぶん早寝だといわれるだろうが、ま、それはおいといて。
昨夜は生物学者のながぬま先生の仕事を紹介したプログラムだったんである。この人は辺境生物学ということで、火山にいったり海の底や地底に潜ったり、はては北極圏まで出かけたりと一面大変にダイナミックな仕事振りだ。毎日自室と隣の実験室にしか出入りしないワシとはスケールが違う。しかしやはり共通する了解ごともあり、「研究なんて連戦連敗ですよ、でも勝つまで負けようってことで」などと、思わず膝を打つ台詞が次々に飛び出して大変面白かった。
一方、まだ自分はその境地でないと思われる話も。ながぬま先生(といってもまだ46歳だそうだけど)は、性急に結果を求めることは止めたという。なぜなら、すぐに結果が出るようなことは大したことではないから。むー。確かにそれはそうなんだけれど、近頃はshort-termでの「結果」が求められる世の中になってきていて、そこんところはどう折り合いをつけていくべきか。そんなんどうでもいいといっていては科研費貰えないしな。先生は番組の中で「我々研究者は、論文出してナンボなんだよね。それで、ある程度のペースで論文が出ていないと使えない奴という烙印を押されるという、そういう焦りがあったね」と語っていた。しかしその続きの話はなかった。そういう焦りがあったけど杞憂だったということなのか、あるいは、焦らなくても結局論文はちゃんと出ていますから、という話なのか。たぶん後者だな。ワシなんか焦っているけど論文は出ていないから、そりゃ最悪だ。
いずれにしても、自分の研究について一考する機会になったことは確かだ。いうまでもなく理想と現実は乖離しがちだが、理想のほうを向いて多少なりとも近付こうとする姿勢が大事なはず。子供との付き合いといっしょだね。