PLoS ONE

PLoS ONEなるオンラインジャーナルができたことを、柳田先生のblogで知った。こいつは研究(実験)の方法さえまともなら、結果の意義を問わず掲載するのだそうな。そして掲載された論文には読者からコメントがつけられるというものだそうな。Wikiみたいなもんかな?
まあ確かに、ある論文の価値なんてものは人それぞれの主観によるわけで、本当は重要な研究・論文が、その価値を理解できないアホ査読者によってrejectされる(耳痛っ)てことはあり得る。あるいはまた、競争相手が投稿してきた論文を何やかやと難癖つけて葬ることもままある(らしい)。それでもって投稿論文はrejectされると反論の機会がないから、査読者のジャッジが公に評価されることはない(まあ査読者の意見をとりまとめるeditorがまともなら大丈夫なはずだが)。そこへいくとこのシステムでは論文公開後にオープンで評価をすることになるので、有意義な知見が葬られる危険は減るだろう。一方で問題はノイズも格段に増えるだろうことで、玉石混淆のなかからホンモノを拾い出す眼力だか検索スキルだかが必要になる。従来だと、ジャーナルの「格」がある程度のお墨付を与えてくれていたわけだが。
ちなみに投稿料は$1,250だから、考えようによっては意見広告を出すようなもんだ。$1,250は一般のジャーナルに比べて安くはないがもっと取られる雑誌もあるから、それで論文出るならという考えもあろう。しかし一番サムいのは論文に全然コメントがつかないことだと思うので、他では通らないようなカス論文を金で通しても恥しいだけという気がする。でもってカスじゃない論文なら他のジャーナルでも通るだろう。結局、PLoS ONEの存在意義っていうのはinteractiveであるってことなのかしらん。
ま、PLos ONEにしろ何にしろ、ワシの場合まずはデータが出ないとね。あはは。