変身か堕落か、それが問題だ

研究室に出入りの業者さんに言わせると、私は若く見えるのだそうだ。だそうだ、といっても別に意外なわけでもなく、若く見られるほうであることは承知している。むしろその話のなかで、さすがに学生さんと間違うことはありませんけど、といわれたことこそプチ・ショックだった。以前は学生と間違われることも多かったのに。
実は最近自分でも年取ったなと思う。例えばお肌の衰え。捻った腕の皮膚に細かな皺がよるのを見ればああコラーゲンが、と思い、小便のあと手を洗いつつ鏡を見ては、顔のお肌が疲れとるわい と感じる。
そんな話をヨメにしたところがなぜか大ウケした。加えて、以前と変ったのは肌だけではないと言いだした。曰く、昔はもっと硬派だったのに、最近は「崩れてきた」。軟派になったというのではない、「内面から崩れてくるものがある」のだそうだ。具体的には、

  • 交渉事に際して遠慮がなくなった
  • ダジャレを頻発するようになった
  • 頻繁かつ得意気に放屁する

といったことが挙げられるらしい。私にいわせれば、まあずうずうしくなったのは確かだが、発するのは駄洒落じゃなくて洒落であるし、放屁は以前からだ、自慢じゃないが。したがって実はそうした些事が問題なのではなく、確信犯的三枚目路線に転換したといわれているのかなと思う。そういえば渡米以後髪が短かくなったことで、いろいろなひとから「ずいぶん強面になって」とか「迫力が増しましたね」とか「どうして角刈りにしたんですか」とか、いろいろなお言葉をいただいてきた。別に散髪しただけなんだけども、やっぱり何か「内面から変った」ものがあるのかしらん。
まあ格好を重んじる気分は減ってきているけど、それが過ぎるとほんとのオヤジになっちゃうわけで、それはそれで要注意だなぁ。