ぬこ

朝、1階のインナーバルコニーに面したカーテンを開けたら、ごみ箱の中から猫が飛び出した。手摺りの上に立ち止まった猫としばらく睨みあいをした後、窓を開けたらテキは逃げていった。しかしその後も外側からこちらを窺っていて立ち去ろうとしない。えらくしつこいなと思いつつもういちどバルコニーに出てみたら、なんと子猫がいた、それも2匹。子猫は脱走しようとするが、跳躍力が足りないので壁を越えることができない。成程それで母猫が立ち去らなかったのか... 我が家のバルコニーには最近常夜灯をつけたので、ここが営巣地とは考えにくい。おそらくは、母子で朝御飯を摂りにやってきたということではあるまいか。
一気に跳躍して壁を越えるのは無理としても、バルコニーには机やらごみ箱やらいろいろあるわけで、落ち着いてやればいくらでも脱出はできるはずだ。そもそも初めて来たんじゃないだろ、君達? まあしばらく放っときゃ母猫が救いにくるさと思ったのが、子供ら(人間の)が窓にへばりついて見ているので母猫も近寄ってこない。止むなく、捕獲して外に出そうとバルコニーに出た。しかるに血迷った子猫はバルコニー中を走りまわった後に網戸に爪をたてて駆け登り(やめてくれ)、壁を越え、そして我が家と隣の間10 cmほどの隙間に落ちた。お前はそれでも猫か。水中網で救出作業を試みるも、猫がこちらの意図を理解せず失敗。どうしたもんかと途方に暮れたが、結局は壁沿いに走って隙間から逃げていった。あの後無事に母猫と出会えただろうか。なおもう一匹は同様に網戸に爪をたてて駈け登り(やめてくれ)、こちらは手摺り上を走って無事逃げていった。朝から一大スペクタクルだ。
ちなみに母猫は三毛、隙間に落ちた猫はキジトラ、脱出に成功した猫は白黒、おそらくはきょうだい猫で、逃げる白黒と合流した個体が茶トラだった。ヨメにそのように報告したら「野良猫の正統派、由緒正しき野良猫って感じだなぁ!!」と感嘆された。統一性がないところが、という意味らしかった。